青い猫の花嫁


!!!!!!


そこには……。



「お、お……」


お母さんっ!!!!?

声にならない声が出る。

ど、どうしよう!朝っぱらから部屋に男の子がいるって絶対変だよ!


すでにグチャグチャだったあたしの頭の中は、もう手遅れ。

人間、ほんとにびっくりした時って身動き取れないもので。
あたしはただ、全身から血の気が引くのを感じていた。



ああ、もうダメ……。
キュッと目を閉じたあたしに、のんびりした声が降ってきた。



「あら、起きてたの。それなら早くご飯食べちゃいなさい? また遅刻するわよ」

「え?……あ……」



いつもと同じ。

いたって変わらないお母さんの声に、一気に毒気を抜かれた。


嘘。どういう事? ま、まさかお母さんにはこの人が見えてない?


チラリと目の前の男の子を見上げると、まったくもって焦った様子のない彼がいて。



「トワくんも、ほら。ご飯食べないと」



……は?

と、とわ?



いきなり声のトーンが高くなったお母さんは、ほんのり頬を染めて「おほほ」と笑う。

あれ?

ちょっとまって。

お母さんの声とかどうでもよくて……。




「はぁい」

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