青い猫の花嫁
「でも驚いたなぁ、廉次さんの後ろから藍原と立花が現れた時は」
そう言って松田くんは、ニコリと笑いながらトワに視線を送る。
その視線を受けてもトワは相変わらず無表情を崩さない。
さっきの優しい微笑みが幻だったかのように、興味なさげにココアに息を吹きかけていた。
……まだ熱いんだ……。
「ほんとだよ。怖くて逃げそうになったもん。しかもあの時って封印が弱まってたでしょ?気、抜いたら変身しちゃいそうだった」
「俺も」
2人とも……明るい。
なんかさっき正宗さんと話だばっかりだし、その話題はデリケートな部分だろうと思ってたけど、2人はどうもオープンだ。
あ、そうだ……
「ねえ、てことは、爽子たちは、トワの事は知ってたの?」
爽子も松田くんも、三國家の人だったなら、トワとも親戚なんだし、知ってるはずだよね。
あたしが訪ねると、爽子はフルフルと首を振った。
「うんん、藍原くんに会ったのはこの学校でだよ。親戚って言っても全然行き来なかったみたいだし。修也は?」
「……俺も。でも話には聞いてたんだ。同じ年だって」
それだけ……。