青い猫の花嫁
「うん、明日。どこか行こうよ、せっかくの春休みだし、ね?修也も、藍原君も一緒に」
「ええっ」
「塾が終わったらまたメールするから、真子ちゃんどこ行きたいか考えておいて?」
「へ、あたしが?……爽子、」
爽子は慌ただしく厨房へとかけていく。
それに続いて、ゆっくりと松田君が立ち上がった。
「はは。サワは相変わらずだな。 ま、いいじゃん?楽しそうだし、な?藍原」
「真子が行くなら、俺も行く」
へ?
サラリと言ったトワに、一瞬ポカンとして、目が合うと一気に頬が熱くなる。
自分の発言の意味をまったく自覚してないトワ。
あたしが固まってるのを見て、不思議そうな顔をした。
「あ、はは。いや……すげぇよ、ほんと。じゃあまた明日」
「え?あ、うん……」
茫然としたまま松田君を見送って、手を振る爽子にぎこちなく笑顔を返す。
なんだか熱に浮かされたような感覚。
急に爆弾落っことしたトワと2人きりにされて、うなじに触れたあの感覚が鮮明に蘇ってきた。