青い猫の花嫁
……………
薄暗い空間で、その横顔はまるで別人みたいだ。
目が離せない。
水色の幻想的な空間で、その儚げな表情がユラユラと揺れていた。
ねえ、トワ……今、なに考えてるの?
その無表情の中に、どんな感情があるの?
トワは、今までどんなふうに生きてきたの?
なにか熱いものが、喉の奥を痺れされ、キュッと痛くなった。
一体どれくらい見惚れてただろう。
あたしに気付いたトワが視線だけを落とした。
ジッと見つめるあたしを、不思議そうに見下ろすトワ。
トクン
まるで……。
まるで、時間が止まったみたいだ。
まわりの音は遮断されて、なにも聞こえない。
ここには今、トワとあたしのふたりきり。
……。
長い睫の奥の蒼穹の瞳は、まっすぐにあたしを見つめている。
トクン トクン
心臓の音が、なぜかはっきりと聞こて。
それからトワが、ためらいがちに口を開いた。
「……真子」