青い猫の花嫁
それからすぐに爽子からメールが来た。
【見たよ~。藍原くんて、何も考えてなさそうで、大胆……。あとで話聞かせてね!とりあえずお昼まで別行動しよっか(^o^)/近くで見れないの、つまんないけどねwww】
って、なにそれ!
完全に楽しんでる。
【勝手にごめんね。でも爽子、あたしの事より自分が楽しむこと考えなよ。松田君と楽しんでね】
送信っと。
あたしが三國にとって約束の人って事は、実感がない。
トワ達が、あたしの事を“お嫁さん”って言う理由だって、ただ産まれた時間が同じだってだけでしょ?
きっと、偶然同じ時間に産まれた人なんて世の中探せば一人くらいは見つかると思うんだよね。
だから、トワの相手があたしじゃない、他の誰かなのかもしれないし。
それなのに、貴重なこの一年をあたしといてもいいのかな……。
他の誰かの可能性、ないのかな。
携帯を鞄にしまって、足元の水槽をジッと見下ろすトワに駆け寄った。
「何見てるの?」
ヒョイっと覗き込むと、そこにはいわしの群れ。
すごいな、ここは上からも見下ろせるんだ。