青い猫の花嫁

――――パク!


「……」


完全にフリーズ。

ホットドックの反対側……食べられちゃった……。

って……、と、とと、と、


「トワっ!なんで食べ、」

「ん?だってほら。零れちゃいそうだったし」


それはそうなんだけど。
急に迫ってくるからほんとビックリした!

我に返った瞬間、頬が熱を持つ。


「だ、だからってあたしが食べてる途中にしなくても……」


なんてモゴモゴしながら、ジトッとトワを睨む。

あたしの視線に首を傾げながら、親指で口の端に残ってたケチャップをクイッと拭ったトワ。

その仕草に、急に男を感じちゃうなんて、あたしって変態でしょうか……。
あぁ、なんか目眩……。



「あ、はは、藍原くんて、なんか、なんてゆーか、見かけによらないね」

「藍原さ、そういう事は人前では自粛して下さい」



え?

はた、と顔を上げると爽子も松田君も、なぜかあたし以上に真っ赤。

爽子なんて真っ赤のままジュースを一気飲みし、松田君は額に手を当ててあからさまに照れていた。


み、見られてたんだっ!
……あはは。


「どういう事?」


なんて当の本人は、やっぱり無自覚で。
頬杖をついてメロンソーダをゴクゴクと飲み干していた。


つ、疲れる……。

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