青い猫の花嫁
波乱の新学期
淡い期待と、大きな不安を胸に、あたしはひとり、掲示板を見上げていた。
今日から新学期だ。
「……6組……」
自分の名前を見つけ、それから同じクラスの名簿を順番に追った。
あぁ、なんだ……
茫然と目の前の掲示板を見つめたまま固まっていると、いきなり頭をはたかれた。
――ポカ!
「あたっ!」
だ、誰っ!!?
振り返ると、今日の青空のように爽やかな笑みを浮かべた松田君が覗き込んできた。
「おはよ、立花!なにボサッしてんの?あ、何組だった?」
「……6組」
「6組かー、えっと、俺はぁ……」
ポツリと呟いたあたしの言葉を聞いて、ふんふんなんて頷きながら松田君も張り出されたクラス名簿を見上げた。
「あぁ、俺も6組じゃん。これから2年よろしくな」
「うん」
嬉しそうにそう言って、松田くんがポンポンって肩を叩く。
そうなんだ、1年から2年に上がる年だけクラス替えがある。
だから……。
「真子ちゃーーん!」
そんな声と一緒に、背中に軽い衝撃を受けて、バランスを崩しそうになった。