青い猫の花嫁

「あ、そっか。あたし紹介してなかったもんね。ごめんね、真子ちゃん。カナトってばこんな顔して物凄く恥ずかしがりなのぉ~」

「そ、そうなんだ……。あはは」

「は?ちげーし!」


カナトくん、あたし何も悪くなくない?
真っ赤な顔で、悪態つかれても、もう怖くもなんともないんだけど……。

カナト君が照れ屋かどうかなんて、なんかもう……
どっちでもいい……。
ごめんなさい……。

なんか一気に脱力感。

確かに今まで爽子から松田君とのラブラブ話聞いた事なかった。
あたしの誕生日に一緒に選んでくれたって事だけで……。

松田君と爽子が、普通に仲良しだから、あたしが勝手に勘違いしてたって事?

なんなの、それぇ……。
あたし、ただのアホじゃん。


「……」

「ほらほら、行くぞぉ。藍原んちつく頃には夕方になっちゃうよ」

「あっ……」


ガクッとうな垂れてると、サッと腕を引かれてあたしはまた山道を登り始めた。

あたしの手を引いて歩く松田くん。

彼の後姿をぼんやりと眺めていると、あたしの手を引いたままの松田君が小さな声で言った。



「立花さ」

「うん?」




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