青い猫の花嫁

「俺とサワが付き合ってるっていつから思ってたの?」

「へ?」


唐突の質問に、キョトンとして首を傾げた。

いつから?


「えっと……爽子が、彼氏できたって報告してくれた時から。あ、でもその前からふたりいい雰囲気だなぁと勘違いしてたわけだけど……はは」


勝手に思い込んでた事に、思わず照れ笑い。


「ふーん……そっか」





松田君はそう言って、あとは何も言わずに黙ってあたしを引いて歩いてくれて。

おかげでさほど疲れずに、赤い屋根の家までたどり着ける事が出来た。



「……人気、ないね」

「いねーんじゃねぇの?」


爽子とカナトくんが顔を見合わせながら言った。


山林の道がどこまでも続いて行きそうだと思い始めていた時、目の前にパッと開けた場所がトワの家だった。

山の中の別荘。
そんな感じの、温かみあるウッド調の建物。

やっぱり三國の親戚だけあるのかな。
お金持ちに変わりないんだ……。


茫然と見上げていると、視線を感じて顔を上げた。



「あっ!」



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