青い猫の花嫁
目の前には、美味しそうなにおいを漂わせた、コーヒーが並んだ。
そして……。
「それで?」
「ん?」
たぶん、ここにいる全員が首を傾げたに違いない。
だって……。
「トワが友達を連れてくるなんて……初めてだよ。ほらほら、遠慮なく食べて!夕飯もどう?今日はウマイイノシシの肉が手に入ってね!新鮮だから臭みもないし、バーベキューとでも洒落込もうじゃないか」
そう言って、エプロンをかけて意気揚々とキッチンに消えていく、その姿を目で追いながら言葉を探していた。
「うちのじいさんは、あの通りだよ。誰がヤバいって?」
「あ、いや……元気ならいいんだ。うん。よかった」
って、元気すぎだろぉ。
80超えてるじいさんが、山でイノシシ狩りとか!
みたいな空気が漂う中、小さなため息をついたトワが目を伏せた。