青い猫の花嫁


「……、今日は泊まって行きなよ。ここの終電早いんだ。皆じいさんの料理食べてって。張り切ってるみたいだし」

「そ、そうだね、せっかくだし。ご馳走になろっか。悪いし。ね?真子ちゃん」

「え?あ、うん……」


爽子に返事を促され、コクコクと頷いた。

でも、トワはあたしに視線を合わせないまま、席を立ってしまった。



「それじゃ」



あ……。

リビングを去って行くトワの背中を、ただ見送ってしまった。

あたしの、意気地なし……。




「真子ちゃん、藍原くんとケンカしたの?」

「……わかんないけど、やっぱり突然来た事、怒ってるのかな」


遠慮がちに言った爽子に力なく返す。



「そうかな?そうじゃない気がする」


そう言ったのは、黙ってあたし達を見ていた松田君だった。


え?


< 154 / 323 >

この作品をシェア

pagetop