青い猫の花嫁
「……、今日は泊まって行きなよ。ここの終電早いんだ。皆じいさんの料理食べてって。張り切ってるみたいだし」
「そ、そうだね、せっかくだし。ご馳走になろっか。悪いし。ね?真子ちゃん」
「え?あ、うん……」
爽子に返事を促され、コクコクと頷いた。
でも、トワはあたしに視線を合わせないまま、席を立ってしまった。
「それじゃ」
あ……。
リビングを去って行くトワの背中を、ただ見送ってしまった。
あたしの、意気地なし……。
「真子ちゃん、藍原くんとケンカしたの?」
「……わかんないけど、やっぱり突然来た事、怒ってるのかな」
遠慮がちに言った爽子に力なく返す。
「そうかな?そうじゃない気がする」
そう言ったのは、黙ってあたし達を見ていた松田君だった。
え?