青い猫の花嫁


「…………」

「…………」



……。
…………。



「……真子?」

「な、なに?」


掴んだ襟をパッと離してトワから顔を逸らす。
目を見開いて、心底驚いた顔をしてるトワは、あたしが服を離しても固まったまま、思いっきりフリーズしてる。


こんなトワ、初めて……。



「いや、だって今……」

「なによ、だってトワが勝手に奪えって言うから、そうしたんだからね」

「言った、けど。でも今、俺に……」


信じられないと、口元を覆ったトワは、上目づかいにあたしを覗き込んだ。



「真子、俺の事好きなの?」

「…………」


そんなストレートに……。

顔を背けたまま、何も言えずに、かわりに耳まで火照って熱を持つ。
トワは、再び壁に両手をつくと、さらに顔を傾けた。




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