青い猫の花嫁
「返さないよ」
「……はい?」
何食わぬ顔でモグモグしてるトワを、ポカンと眺めハッと気づいた。
「あ、それ最後の苺……」
「残ってたから、いらないのかと思った」
「いる!とっておいたの!」
しれっとしたままのトワ。
返さないってねー……。なんか無性に腹立つんですけどっ!
思わず身を乗り出したあたしは、トワのお皿に残っていたカップケーキに手を伸ばす。
「甘いね、真子は」
「あっ……!」
あたしの行動なんてお見通し。ヒョイっとお皿ごと持ち上げたトワは、その綺麗な唇をクイッと持ち上げた。
「なによ、トワのイジワル!」
「意地悪?ふーん、これがイジワル……」
学ぶなー!
もう、なんなの?
昨日のはウソ?幻?
ああもうせめて、夢であってほしい。
「ぶはっ」
「ふふふ!」
へ?
いきなり吹き出す声に、ハッとして顔を上げた。