青い猫の花嫁
「いや、もういいんだけど。お前らのそーゆうの見慣れて来たけど」
「ほんと。仲よしなんだから~。こっちが照れるから!」
え?これが、仲良しって……あたし怒ってたんですけどぉ。
松田君と、爽子がなぜかにわかに頬を染めてケタケタ笑ってる。
キョトンと首を傾げていると、食事を終えたカナトくんがさっさとお皿を片づけて戻ってきた。
「おら、もう行くぞ。学校、遅れんだろ」
「へ?あ、もうそんな時間!」
カナトくんの言葉にみんな一斉にイスから立ち上がる。
キッチンにお皿を下げると、なぜかカナトくんが慣れた手つきで洗い物をしていた。
……おかん。
って、そうじゃなくて。
鞄をもって、リビングに行くと、のんびりとソファに座るトワの姿が目に入った。
「トワ、学校っ」
あたしの声に、トワは表情一つ変えずに「俺はいいよ」なんて言う。
……む。
「ダメ!ダメに決まってるでしょ」
「ええ、俺は明日からにする」
グイッと手を引っ張ると、眉間にシワを寄せたトワは、面倒くさそうにため息を零した。
「ねえ、トワ~。まだ帰ってこないつもりなのぉ?」
グイグイ腕を引くあたしを、寝癖のついた髪のままトワは覗きこむように見た。
「今度は真子がうちにおいでよ」
「は?」
ウチニオイデヨ?
固まったあたしの横を誰かが通り過ぎる。