青い猫の花嫁
今日、ここにいるのは……。
えっと、廉次さんと、バイトの洋子さん。
それから、爽子とカナトくん……松田くんと先生と、あたしだけだ。
「どうして郁くんがトワを呼びに行ってるの?」
「俺も詳しくは知らないけど、郁は昔から藍原のとこで世話になってるらしいし。たぶん藍原といちばん仲良いんじゃないかな」
「そうなんだ……」
知らなかったな。
近くのソファに腰を落とした松田くんは、その隣をトントンとたたき、あたしにも座るように促した。
「松田君たちは、トワの事最近まで知らなかったんだよね?」
テーブルにグラスとガレットの乗ったお皿を置いて、言われた通りにその隣に座る。
「うん。同じ年に猫憑きがいるらしいくらいだったよ。藍原家とも全然交流なかったし。だから藍原と知り合ったの立花と同じタイミング」
「……。ね、そう言えば知ってたの?あたしがトワの……」
「運命の相手って?」
はっきりそう言われ、コクコクと頷いた。
ソファに身を投げ出した松田くんはその腕を背もたれに引っ掛けた。
おかげで、なぜか肩を抱かれてるような感覚に、気まずくなる。
う……違う椅子に座ればよかったな……。
なんて後悔し、すぐに自意識過剰だって、思い直した。
「たぶんサワから聞いてるとは思うけど、俺らは直前に聞いたよ。そんで言われたんだ。誕生日が2月22日の友達に、それをプレゼントしてくれって」
「え?」
キョトンと首を傾げると、松田君の手がスッと伸びてきた。
そして、彼が指差したのは……。