青い猫の花嫁
ドキ……
小さく胸が跳ねて、頬杖をついて首を傾げたトワから慌てて視線を外した。
「それでって……」
「さっきの話。まだ俺聞いてない」
「う……」
どうにも気になるらしい。
トワってば、さっきから少し機嫌悪そうだ。
口ごもったあたしを見て、トワが小さくため息をついた。
「嫌な事言われたの?」
「え?」
思わずトワを見ると、真剣な瞳があたしを見つめていた。
嫌な、事?
嫌な……
カナトくんが言ってたのって……あの事だよね?
てことは、あたしとトワが……。
「……」
かあああ。
耳まで真っ赤になってく気がして、慌てて頭を振った。
「真子?」
「あ、あの……嫌って言うか……嫌じゃないって言うか……」
「嫌だけど、嫌じゃない?」
「……ん。嫌じゃない……かも」
歯切れの悪いあたしに、頬杖をついたままジッと見つめていたトワは、姿勢を戻すと椅子の背に身を投げ出した。
「――ならいいよ。無理に聞いてゴメン」
「え?」
あ、もしかして……。
トワは、あたしが酷い事言われてるって思ったのかな?
だから、心配して……。