青い猫の花嫁

爽子の手から受け取る。
「開けてみて」って急かされて、さっそくリボンを解いた。


「あ、これ……」

「真子ちゃん、前にかわいいって言ってくれてたから」


それは、アンティーク調の小さな猫のチャーム。



「ほら、ココにつけて。これで一緒」


そう言って爽子は自分の携帯をかざして見せた。
そこには同じように揺らめく、コトリのチャーム。



「覚えててくれたんだ。爽子……嬉しい」

「当たり前だよ。 修也もね?一緒に選んだんだ。絶対コレ!って」

「え……」



松田くんが?


ドクン


嬉しかったのに……心のどこかにシミが出来た気がした。



「そ、うなんだ……」


笑わなきゃ。

チャームを持つ手が震える。

ストラップに付けて、爽子に見せて。
笑って、ありがとう……って。



「あっ」



チャリン!


その時、猫のチャームはスルリと手の中から零れ、地面へと落下した。


「ご、ごめ……」


慌てて拾うとかがんだその時だった。

目の前を真っ黒な影が横切った。



え?


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