青い猫の花嫁

胸がギュってなって、前にトワと月を眺めていた時の、あの時の横顔を思い出してなぜか切なくなった。

たまらなくなって、トワの体に顔を埋めた。


「大丈夫だよ。あたし、今日神様にお願いしたから。ちゃんとお願いしたから、大丈夫」


神様が、トワと出会わせてくれたあの時のように。
きっと、みんなの願いも叶えてくれる。


「……」

「……」



トクントクンって、小さな体から鼓動が聞こえる。
目を閉じていると、トワの手があたしの頬に触れた。

少し、ザラザラした、肉球。
その手でもう一度あたしの頬にそっと触れて、猫トワの瞳が瞬いた。


「真子、キスしていい?」

「え?」


猫ちゃんと?

つぶらな瞳が、ジッとあたしを見つめている。
なんだか可愛くて、可笑しくてあたしは「うん」と頷いた。

そっと目を閉じると、口元にくすぐったいような感触。


と、その時だった。



「!」


え……。


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