青い猫の花嫁
「その……なんだ、あんま責任、感じるなよ」
え?責任?
キョトンとすると、カナトくんはじれったそうにため息をついた。
それから、グラスに残ってるフロートをシャクっとスプーンですくうと、それを口に放り込む。
「……絶対、何とかしようとか、グジグジ考えんなって事」
「……カナトくん」
もしかして、爽子、カナトくんと話したのかな。
それで、あたしが言った事も聞いたんだよね……。
心配、してくれてるんだ……。
約束の、その日まで2ヶ月。
本当は、すっごく不安なはずなのに……。
カナトくんの不器用な優しさに、胸が熱くなった。
「うん。……ありがとう」
思わずそう言うと、一瞬ギョッとしたカナトくんが、はあ?と顔を上げた。
「あんさ、あんたポヤンとしてるけど、アイツとはうまくやってんだよな」
「え?」
「どー見ても奥手だしよ。あんたも、アイツも」
うっ……そ、それって、それって……。
男の子と、女の子の……つまり、えっ、えっ……。
きゃあああ!
その先を考えてしまいそうで、慌ててブルブルと頭を振った。
契りって、そういう事なの?
あたしと、トワが……すれば、それでいいの?
思考回路は、今にもショート寸前。
そんなあたしを見て、はあと小さなため息が聞こえた。
「やめなよ、カナト」