青い猫の花嫁
「今日だけじゃないです。前にも僕、あなたに無神経な事、言ってしまって……」
「え?」
前?
キョトンと首を傾げたあたしを上目づかいで見上げながら、大きな瞳を潤ませた。
「トワくんの家に行ったときに、その。選択を間違えないでとか、凄く無神経でした」
「選択……」
一瞬考えて、思い出した。
そっか……もしかして、あの時の事をずっと気にしてたのかな……。
だからあたしを見る時の郁くん、少し変だったのかも。
「郁くん、トワの事、すっごく心配なんだね」
「え?」
閉じていた目を開けて、郁くんは何度も瞬きをした。
優しいんだな……。
本当に、三國の人は、みんな優しい人ばかりだ。
嬉しくて、心の中があったかくなって、思わず頬が緩んだ。