青い猫の花嫁
―――シトシトシト
まるであたしの心。
いつの間にか、雨が降りだして。
濡れた頬を優しく洗い流す。
あたし、最低だよね……。
今のトワを残して、逃げ出しちゃうんだもん。
駅が見えてきた時、ようやくあたしの足も止まった。
うんん、もう動き出す力を持っていなかった。
そのまま、空を仰ぎ見る。
冷たい雨を降らす一面の灰色の雲。
どこに行くの?
そんなに急いで……。
「……」
そっと目を閉じた。
その時だった。
「あれ、真子ちゃん?」
「……」
聞き覚えのある声に、ゆっくりと目を開けた。
そこには……。
「……ナギ、さん?」
「どうしたの?濡れちゃってる!ほら、こっち……」
慌てたように、ナギさんはあたしの肩を抱くと屋根のある駅のホームへと促してくれた。