青い猫の花嫁
「だけど、もうそうは思えない……知ってしまった」
「……トワ」
「……ぬくもりを。優しさを。どうしよもないくらいの愛おしさを」
たまらずにトワの頬に触れると。
それに応えるように、トワは蒼穹の瞳を細めてくれた。
「俺も諦めない。もう、迷ったりしない」
トワの瞳の中に、力強い光が生まれた気がした。
満月のように儚くてどこまでも広がる、蒼穹。
「うん」
嬉しくて、胸がいっぱいで、あたしは小さくうなずいた。
「……真子」
「うん?」
顔の横で抑え込まれた手に、キュッと力がこもる。
にわかに距離を縮めたトワは、穏やかに微笑んで
……掠れた声で囁いた。
「俺のモノになってくれる?」