青い猫の花嫁
押し黙っていると、その腕にキュッと力がこもった。
あたしの首筋に唇を寄せたトワは、ため息まじりに言った。
「……真子、俺無理かも」
「へ?」
なにが?
「……我慢、しなきゃダメ?」
「……」
かああああ。
いくらあたしでも、わかるよ?
熱い吐息を吐きながら、そんなふうに言われたら……。
断れないよ~……。
トワの手が頬に触れ、そのまま引き上げられた。
潤んだ瞳で、少しの抵抗をしてみる。
そんなあたしに、トワは嬉しそうに目を細めると。
そっと口づけを落とした。
甘ったるいトワの愛撫を受け止めて、頭の芯が痺れていく。
ああもう、溺れそう……。
と、その時だった。
トワの動きがとまり、その眉間にシワが寄る。
「トワ?」
「……なにコレ」
そう言って、トワがシーツの中から引きだしたのは……。
「封筒……?」