青い猫の花嫁

あたしにはさっぱりわからなくて、トワの隣に座ったままふたりを交互に眺めた。



「その石は、はじまりの猫が持っていた石です。すべての元凶。猫の願い、そのもの」

「それも見えた」


はじまりの……石……。

この石……一体なに?



「でも、なんでこれを総司朗が持ってたの?」



不服そうに言ったトワ。
石と同じ輝きを持つトワの瞳が、グッと細められた。


「僕がお願いしたんです。真子さんに渡してもらうように」

「でも、これ……この石は、藍原で代々守って来たものだよ?それを、正宗が手にしてた理由がわからない」

「万吉(まんきち)さんから預かってたんだよ。もうずっと前に」

「じいさんから?」



< 283 / 323 >

この作品をシェア

pagetop