青い猫の花嫁


―――――……
―――……





「ん……」


気が付くとそこは、見覚えのない天井。

ここ、は……。


ゆっくりと見渡すと、あたしは柔らかな布団の上に寝かされていた。


開け放たれた縁側。

そこから、穏やかな太陽の日差しが差し込んでいて。
池の鯉が、チャポンと跳ねて。
どこか遠くで小鳥が楽しげに鳴いている。



体を起こし、ぼんやりと外を眺めていると、襖の引く音でようよくそこから視線を外した。



「気が付きましたか?」



そう言って、あたしのすぐそばに腰を落としたのは、


「正宗、さん?」

「はい」


ゆっくりと頷くと、いつものように穏やかに微笑んだ。


本物……?



まだ頭がぼんやりする。

考えが、まとまらない。


あたしは一体、なにをして……。


綺麗な笑顔を眺めていると、正宗さんは懐から何かを取り出した。



それは……。



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