青い猫の花嫁

なぜかチャームが消えた瞬間、頭の中がクリアになる。
過去に行っていた事も、鮮明に思い出してきた。

トワが一緒にいるハズなのだ。



「あ、あの!トワ、トワは無事ですか?一緒に帰ってきたんですよね?」



この部屋にはあたしひとり寝かされていた。

身を乗り出したあたしに、正宗さんは一瞬目を見開くと、すぐにふわりと笑った。



「――はい。もうそろそろ……」



そう言って、部屋の入り口に目を向けたその時。



「真子!」


スパーン!と物凄い勢いで襖があいて、トワがズカズカと入ってきた。

そのままあたしと正宗さんの間に割って入る。



「――正宗、真子になにしたの?」



そう言って、綺麗な顔があからさまに不機嫌になる。

いつもの……トワだ……。


帰ってきたんだ……あたし達。


よかった……よかった!



「トワっ!」

「え?ちょ、」


嬉しくて、思わずトワの背中に飛びついた。
その拍子に、トワのバランスが崩れ、ふたりして布団になだれ込んだ。


「はは。お元気になられてよかった」



……あ。
そうだ、正宗さんいたんだった。

トワを押し倒すようにしていたあたしは、慌てて飛び退いた。

それと同時。
廊下の向こうからバタバタと足音がして、顔を上げた。


そこには……。


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