青い猫の花嫁
「……爽子、松田くん、みんなも……」
十二支のみんなが次々と顔を出した。
「目が覚めたって聞いて、それで……っ」
「うん。大丈夫だよ」
涙目の爽子に、安心させるように微笑んだ。
でも、爽子には逆効果。
瞬間ぶわっと大きな粒がホロホロと真っ赤に染まった頬を滑り落ちた。
「うわあぁぁんっ、真子ちゃん、ほんとに無事で、無事でよかったよぉ」
「あは。 爽子、痛いよ……」
ギュッと抱きすくめられて、なんだか照れてしまった。
やっと落ち着いた爽子が、声をひきつらせながら、頬の涙をぬぐった。
大きな瞳を潤ませて、あたしをジッと見つめる爽子。
「あのね?、夢見たの……。泣いてる真子ちゃんが出てきて……それで、あたし達もいて……それから、光が……」
「……え?」
爽子の言葉に目を見張ると、その隣にしゃがみ込んだ松田くんもコクリと頷いた。
「俺も見たよ。同じの」
「僕も見ました」
松田君の後ろで、郁くん頷いて目を細めた。
「んだよ。じゃあもしかして物憑きの奴らみんな見たのか?」
そう言ったカナトくんが、正宗さんに視線を投げた。
そうなの?
あたしとトワが行っていた過去。
それをみんな夢として、見ていたの?