青い猫の花嫁
「胸がね?あったかくなるの。
それから思うの……。
ずっと、ずーっと笑っててほしいなって。
それが、あたしの隣であることなら幸せだなって」
伝えたい。
あなたに、あたしの心全部。
そう言ったあたしに、トワはその瞳をさらに見開いた。
――ポカン。
まさにそんな感じ。
そ、そんなに変なこと言ったかな……。
し、失敗したのかな。
あまりにトワがあたしを見つめるもんだから、耐え切れずにパっと空を見上げた。
すると……。
あ、あれ、トワ?
……トワがうな垂れてる!
やっぱりあたし、失敗したんだ!
一気に血の気が引いて行く。
慌ててトワを覗き込もうと、身を乗り出した。
「トワ!ごめん、あたし……」
ガクッと肩を落とし、手で顔を覆ってしまったトワは前髪をクシャリと持ち上げた。
それからチラリとあたしを見て、グッとその瞳を細めた。
その顔は……。
……赤い。
「トワ?」
「……真子はほんと、俺を惑わす天才だね。俺をこんなふうにするのは、真子だけだよ?」
「……そ、そうなの?」
そんな上目遣いで、覗き込まれても……!
かああってもう体中が、熱をもったみたいだ。
きっと、湯気とかでちゃってるんじゃないかな。
それから、静かに静かにトワが口を開いた。