青い猫の花嫁
「あの、トワ……お昼だよ?着替えたりした方が……わっ」
無言のまま、トワに腕をひかれ、校舎の影に連れ込まれた。
――トン!
「……な、なに?」
「あのさ。真子はなんで平然と日常生活送ってるの?」
「は?」
質問、おかしくない?
あたしを囲うように壁に両手をついたトワ。
蒼穹の瞳をグッと細め、無表情のまま言った。
平然と送って何が悪いのよ!
って、言い返したくても、何も言えないあたしの口は、大人しく黙っている。
うう……。
トワに至近距離で見つめられるの、苦手……。
「真子?」
背の高い彼は、身を屈め、あたしと目線の高さを合わせてくる。
ドキ!
やだ、心臓おさまれ!頭ではわかってても、体が勝手に反応するんだもん!
真っ直ぐに射るような蒼穹の瞳から逃れるように、オロオロと俯いた。