青い猫の花嫁
「うそ……まさか、トワ?」
ジャージの中でジッとしている、その猫に恐る恐る声をかける。
そんなはずない。
違うに決まってるんだけど……
聞かずにはいられなかった。
ドクン ドクン
ジッと見つめるあたしに、猫はその瞳をスッと細めた。
「……何してんの、早く俺を屋根のある場所に連れてって」
「えっ……あ、あの、いい、い今……しゃ、べ……」
「いいから、早く!」
「は、はい!」
猫に命令されて、ガバリとその体を持ち上げた。
ジャージも忘れずに抱えて体育館の裏側へ走った。