青い猫の花嫁
ナデナデ、ナデナデナデ……。
空色の毛並みが、フワフワしてて。
もし、トワの髪に触れても、こんなふうに気持ちいいのかな、なんてことまで思ってしまった。
「……こ、真子」
「へ?」
「くすぐったい」
「あ、ごめんっ」
うわわ。あたし、何考えてるの……。
フルフルと首を振って空色の髪を頭の中から追いやった。
「トワはどういう時に、その……猫になるの?」
なぜか頬が熱いような気がして、ジャージの袖で頬を抑えた。
「今みたいに水に濡れた時」
「他にもいるの?トワみたいに……猫に変身しちゃう人」
「……。いないよ。猫憑きは俺だけ」
猫憑きは?ってことは、他の動物になっちゃう人もいるって事?
「それなら……」
もっと色々聞こうと思った、その瞬間だった。
ポン!
って音がしたと思ったら、目の前に……トワが……。
「!……きゃあああああっ」
「え、なに?どうしたの、真子?」
いきなり叫んだあたしに驚いたトワの声がする。
真上から……。
「ふふ、ふふ、服っ、服着てないっ」
「?……ああ、ごめん」
「……」
大パニックのあたしが指差すと、それに気づいた全裸のトワがしれっと謝った。
ダメだ……今度こそついてけない……。
あたしがそのまま意識を手放したのは、言うまでもありません。