青い猫の花嫁
「……」
壁にぴったりと張り付いたあたし。
再び口を塞がれたあたしには、これ以上動くことができなくて、さらに逃げ場をなくすように、彼はその手を壁についた。
な……
ちょ……なにコレ……!
壁ドン……。
もうわけがわからない。
唇に触れる手が、思いのほかヒンヤリしていて。
でもそんな事はどうでもよくて。
ただ蒼穹のガラス玉が、息のかかりそうな距離まで来るのをジッと見つめてしまった。
「俺を望んだんでしょ?」
「???」
何の事?と何度も瞬きをしてみる。
「子(ね)の直前……。つまり午後11時59分59秒。君がこの世に産み落とされた時刻。その瞬間に願い事を言ったよね」
「え……」
嘘……そんな……まさか……
不意に解放された。
向き合うように座って、見つめ合う。
昨日……確かにあたしは真冬の星空に向かって「運命の人が現れますように」ってそうお願いした。
じゃあ、彼が、あたしの……?