青い猫の花嫁


「……ト、トワ?」

「ほら黙って。頭痛いんでしょ?」



え?


そう言うと、トワはコツンとあたしと額を合わせた。
蒼穹の瞳の中で、真っ赤になった自分と目が合って、慌ててキュッと瞼を閉じた。


どれくらいたったんだろう……。

不意にトワの熱が離れて、ハッとして目を開けた。


「どう?ちょっとは良くなった?」


そう言って、ピッと自分のこめかみを指差して見せたトワ。

……。

そう言われてみれば……


「なんか、ちょっと楽になったかも」

「そ。よかった」

「トワ……そんな事も出来るの?」

「そんなコト?」


トワはあたしのドレッサーの前から飾りのついたゴムを見つけると、それで自分の髪を器用に縛った。


「病気治したりとか」

「出来るわけないよ、神様じゃないんだから」

「え?でも……」


カラフルな色の星の形をしたヘアゴム。
空色の髪に、それは良く映えて、すごく似合っていた。



「ああ、今の? 真子の頭痛がよくなりますようにってお願いしたんだ。それで少しでも軽くなったんなら、神様に願いが届いて、真子がよくなったんだよ、きっと」


トワ……

あたしを心配して……?




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