青い猫の花嫁
制服に着替えて、リビングに降りるとテーブルを挟んで、お母さんとトワが優雅にお茶を飲んでいた。
「真子、やっと起きてきた。ほら、早く食べちゃいなさい」
「……うん」
最近、これもふたりの日課らしい。
と言っても、紅茶好きの母に、トワが付き合わされているだけだけど。
甘い紅茶の香りが立ち込めるなか、あたしはトワの隣へ腰を落とした。
「……アチ」
猫憑きだから?トワは猫舌。
綺麗なその顔を歪めて、ふーとカップの中身を息を吹きかけている。
「明日から春休み、だったわよね?」
横目でそんなトワを見ていると、不意にカップから顔を上げたお母さんが言った。
「うん、そうだけど?」
半熟に焼かれた目玉焼き。
それを頬張りながら、コクンと頷いた。
そして、その後お母さんはひとり納得したようにニコリと微笑んだ。