青い猫の花嫁
もう3月だと言うのに、この日はとても冷たくて。
真冬に戻ったみたいだった。
笑顔の母に見送られ、学校へと向かうあたしとトワ。
マフラーをグルグル巻きにして顔半分を覆ったトワの眉間には、深いシワが寄っていた。
しかも、さっきからずっと不機嫌だ。
……もしかして、もしかしなくても、さっきのお母さんの発言のせい?
あたしと2人っきりって事が、気に食わないんだろうか……。
って、むしろ怒りたいのはあたしの方よ!
のろまなあたしの歩幅に合わせて歩くトワ。
その背中をなんだか複雑な気持ちで睨み、ツンと顔を背けた。
「おー、立花と藍原」
その時、こんなに寒いというのに、相変わらず陽気な声が聞こえた。
振り返ると、松田くんがニコニコと笑顔で駆け寄ってきた。