青い猫の花嫁
淡い空色の髪は濡れ、その色を少し濃くしている。
蒼穹の瞳を見開いたトワ。
そして、その広い胸に手をついて小さくおさまってるあたし。
……………はっ!
「……ごっ、ごっ、ごご、ごめ、ごめんなさい!ねっ猫になってるものだと……」
「ああ、お湯はへーき」
全然驚く様子もなく、しれっと言ったトワ。
いきなりあたしがお風呂に、しかも一緒にお湯に入っちゃってるって言うのに、余裕そうに目を細めた。
「そそそ、そうなんだ、そっかそっか。じゃ、お邪魔しましたぁ」
バシャバシャ……
慌てて出て行こうとすると、トワに腕を掴まれて、またその中に押し込まれた。
「真子」
「……」
「耳、真っ赤。 なんで?」
……。
そんな事きくなんて、ずるい。
わかってて、からかってるとしか思えない。
何も言えないでいると、トワはさらに追い打ちをかける。
「ねえ、なんで?」
「……っ、だって、恥ずかしい」
トワのバカ。
ヒドイよ……。
どーいうつもりでそんな事言うの?
「じゃあ、これでオアイコ」
「お、おあいこ?」
まさか、猫ちゃんトワの時の事?
さっきから、首筋にポトポトと水滴が落ちてる。
トワの髪から落ちるその雫が、冷たくて、のぼせてしまいそうな身体に、痛いくらいの刺激が走る。
うう……ここから、逃げたい……。
そんなあたしの想いとはウラハラに、トワの腕はさらにきつく回される。