青い猫の花嫁



「……ト、ワ?」

「真子、すごいドキドキしてる」

「……言わないで」



やばい、泣きそう……もぉ、なにこれ……。

カカカッてどんどん上昇する体温。
きっと長くお風呂に入っていたトワよりも、あたしの方が熱いハズ。


そんなあたしに、トワは嬉しそうに言った。



「ね、俺もしてる?」

「え?」

「ほら、よく聴いて」







……。


雨の音

光る雷

浴槽に落ちる水滴


心臓の音


ドキ…ドキ…
 ドキ…ドキ……ドキ


どんどん速くなる。



「……。うん、してる」


静かに言ったあたしの声は、やたら響いて聞こえて、またグンと体温が上がった。


< 74 / 323 >

この作品をシェア

pagetop