青い猫の花嫁
「……」
「……トワ?」
なんか言ってよ!あたし、このまま倒れそう……。
キュッと目を閉じたその瞬間、トワの少しだけ掠れた声が耳をくすぐった。
「……なにコレ。なんかすごい照れる」
「……」
カアアアア。
今更!!?
恥ずかしいのは、あたしの方です。
「ひゃっ」
不意に首筋に唇が押し当てられて、思わず飛び上がった。
ちゅ
小さなリップ音とともに、耳の後ろにキス。
「ちょ、トワ……やめ……」
「嫌なら本気で拒んで。そしたらやめるから」
「……や……」
やだ……。
あたし、どうかしてる。
早くトワから離れなくちゃ。そう思ってるのに、頭ではわかってるのに……。体はトワを拒絶しない。それどころか、どんどんアツくなる。アツくて、アツくて……。
雨が屋根に打ち付けるその音と、トワの唇の熱で、このままお湯に溶けちゃいそうだ。
あたし……あたし……。
身体に回されたトワの腕に、そっと自分の手を重ねた。