WITH


* * * * *


それから……


あっという間に冬休みに入ってしまって、冬期講習に参加するらしい廉とは、更に会えない日が多くなっていた。


他の同級生から遅れながらも進路を決め、福祉系の専門学校を1月に受験することにして。


クリスマスも年末年始も会うことは出来なかったけれど、お互いの受験が終わるまでの辛抱だと言い聞かせていた。


その頃から……
あの“手紙”が毎日ではなく、1週間に1通……1ヶ月に1通……と、確実に減り始めていた。


最近では、私を気遣ってかまったくと言っていい程その話をしなくなった廉が、何かしてくれているのか―――


その後、犯人について何も言わない廉にいくら聞いてみても
「大丈夫だから、紗和は気にしなくていい」と微笑むだけ。


だから―――


私は、安心し過ぎていたのかもしれない


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