WITH
私の笑顔は崩れることなく、歩き続けていけばゾウやカバ、カンガルーにキリンなどの様々な動物がいて。
そこには、数ヶ月振りの穏やかな時間が二人の間に流れていた―――
あっという間に時は流れて、閉館時刻。
バス停までの道すがら、
「楽しかった?」
「うんっ!ありがとう、廉」
隣にいる廉が私を見下ろして、未だ変わらず笑顔を浮かべている私は、素直に答える。
そんな私を見て、一瞬切なそうな顔をした廉は次の瞬間には柔らかく微笑んでいて……きっと私の“見間違い”。
そう、なんでもないことだと見過ごしてしまった私。
「いつもの公園、寄ろっか?
………話、あるんだ」
静かに呟くように言った廉の声に、私は頷いた。