WITH
「スゴーイ!!キレイだねっ!?」
いつもの公園。
満開の桜と足元やそこかしこに咲いているタンポポに、去年の春も廉と同じ光景を見たことを思い出す。
「そうだな……?」
笑顔で振り向きながら同意を求める私の声に、力なく微笑む廉はベンチに座っていて、なんとなく思い詰めた表情で。
「どうかしたの?」
漠然とした不安が一瞬胸をよぎり、私は笑顔を消し去って廉の隣に座った。
明るかった空も、次第にオレンジ色が混ざり出し夕焼け空へと変わっていく。
世界が一変し闇へと誘い出す頃、黙り込んでいた廉が口を開いた。
「―――俺と別れて……」