WITH
せっかく受かった専門学校も行こうとせず、部屋にこもりがちになった私をわざわざ迎えに来て連れ出したのは、たまたま一緒の専門学校に入学していた啓祐だった。
無理矢理だったものも徐々に自ら行けるようになって……
啓祐がいなかったら、廃人同然だったと思う。
次第に笑えるようになって、昔と何ら変わりなく生活し出した私の耳に入ってきたのは、“廉と蜜華さんが、付き合っているらしい”という話。
律に不意打ちで聞かされて……廉が最後の日にタンポポを手折ったように、私の心も簡単に手折られていた。
廉を忘れるために、他の男といくら付き合って体を重ねてみたところで、私の中から廉は消えてくれなくて……
そうしている間に、廉と蜜華さんは“結婚”してしまって、本当に手の届かない存在になってしまったんだ―――