WITH
ひた隠しの思いを、更に隠して…
いつも……思い出すのは、ずっと18歳の廉で。
このまま、いくら私が年を重ねても18歳の廉が記憶から消えないまま残り続けるんだと思っていたのに。
最近の私は、目を閉じれば鮮明に25歳の廉を映し出せていた。
昔のままの面影を十分に残しながらも、7年の年月は、大人の男を感じさせるほどの落ち着きや振る舞いを廉に身に付けさせていた。
私はといえば、見切りをつけるどころか、同窓会に行く前よりも廉を欲し求めてしまうようになっていて。
私にとっての7年は、廉への思いを断ち切れもせず……何一つ成長していない。
忘れなきゃいけない……
廉のことも、涙を拭ってくれた廉の手の感触も。
いくら考えさまよっても、結局はその考えにたどり着いてしまう。
そして、また……
私は廉を忘れるためだけに、好きでもない男に抱かれるようになった―――
“一瞬でも忘れさせてくれれば、それでいい”と。
少し前と違うのは、一夜限りの関係しか築かなくなったこと。