WITH
「廉に会ったの!?」
律の言葉を聞いて、弾かれたように勢いよく振り返った私に、
「毎日、会ってるけど……?」と、平然と言う律。
「毎日……って!?」
「あれ、言ってなかったっけ?
会社の同じ部署に、廉先輩もいるんだけど……」
理解出来ない私に平然と言い放たれた一言は、予想外のもの。
「あ、因みに営業ね♪」
律はにこりと笑って見せるけれど、私の思考はまだ追い付いていなかった。
(律の勤める会社の同じ部署……営業に、廉も一緒に働いている……???)
同じことを3回反芻した頃、ようやく理解した私の頭。
「聞いてなかったよ?
それで……廉が私を気にしてたって、どういうこと?」
にこりとも笑い返さず、淡々と聞き返し始めた私に律は「まぁ、座れば?」そう言って、ソファーの隣を空けてくれた。