WITH
律がコーヒーを入れてくる、とキッチンへ向かっている間に私は幾分か落ち着き出して、律と廉が未だ繋がっていることに改めて驚いていた。
律は、私が高3の時に起こったことを知っているし……廉と別れた時も、私以上に怒っていた。
だから、二人が今、毎日顔を見合わせているとは思いもよらなかった……
コトンと微かに音をたててテーブルに置かれたマグカップに、私は意識を引き戻された。
「ありがとう……」
「ん、どういたしまして」
隣に座った律は、ゆっくりと話し始めた。
「廉先輩さ、同窓会の翌日からずっと“聞きたいけど聞けない……”みたいな雰囲気あったんだけどさ。1週間くらいたった頃かな?『紗和、どうしてる?』って、俺に聞いてきたんだ」