WITH


*** *


啓祐に同窓会に行くと決意してから、3週間がたった。


季節はすっかり秋めいて木々は紅葉で彩られ、
同窓会の日まであと5日というところまで迫っていた。


1日1日……

同窓会の日が近付くにつれ、
私はそわそわと落ち着かなくて。

廉のことばかり、思い出してしまう。


そんな私の心境とは関係なく、
仕事には行かなければならず……


私は、淡々と仕事をこなす日々を過ごしていた。


福祉施設で働き出して、
もう5年目。


人間関係も安定しているし、
仕事も覚え、それなりにやっていけていると思う。


だけどその反面、
長い年数働いていることで任せられることも増え、責任も重くなってきていて。

正直、忙しすぎなくらいに忙しい。


でも、その分……

仕事の時間は、
余計なことを何も考えずにいられた。




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