WITH
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クリスマスまであと1週間をきった、ある日のこと。
出勤した私に言われたのは、急遽休んだ職員の代わりに大学病院へ通院の付き添いに行ってほしいというものだった。
「えーっと……私じゃないとダメなんでしょうか?」
「出来れば、霧原さんにお願いしたいわ。今日いる職員の中では、あなたが一番この方の病状を把握出来ているのよ……」
渋る私に、行かなければいけない状況を作り出すかのように話していく介護主任。
「ダメ、かしら……?」
渋り続けている私をパイプイスに座った主任は見上げて一言、そう言うから……
「……わかりました」
結局、折れてしまった。