WITH
総合案内兼受付で診察券を出し、目的の診療科のある場所へ車イスを押して移動していると、数メートル先に白衣を着た啓祐が医師と連れ立って話しているのが目に入った。
(ヤバッ……)
と顔をしかめてしまった私は、気付かれないように回り道をしようとクルリと一回転して背を向けた。
……のに。
「あれ……、紗和?」
すぐに啓祐に、気付かれてしまった。
私は肩を落とし、諦めにも似た感情で啓祐の方へ体を向けた。
「仕事?」
「うん……あ、電話出れなくてごめんね?ちょっと忙しくて……」
取り繕ったような笑顔を浮かべ早口で話す私に、「気にしてないよ」と、いつもと変わらない笑顔と口調で話す啓祐に、ホッとした。