WITH
「やっぱり、紗和ちゃんだ♪
……“廉”って、だーれ?」
少しムッとした顔をしながらも、手を伸ばし私の髪の毛をクルクルと弄び始めたのは、少し前に一夜を共にした金髪の男。
その男をすぐに思い出せたのは、廉に似た笑い方をする人だったから―――
「誰でもいいでしょう?忘れて」
それだけ言うと、踵を返してまた歩き出した私の隣をキープするように着いてくる金髪の男。
「別にいいけどさ、また会えたんだし遊ぼうよ?」
「今日は、無理」
けらけらと笑い続けるソイツをキッパリと拒めないのは、なぜだろう?
すべてが廉に共通して似ているわけじゃない。
ただ――この笑い方が似ている。
大好きな廉の笑顔が恋しいだけなのに……
弱い心が顔を出して、廉に似ているこの金髪男にすがってしまえばいいと思ってしまう。