WITH
だから―――
「晴哉、さん?……私に構わないで。もう二度と、遊びで寝るつもりはないから」
キッパリと自分の意思を、この人にも告げた。
遊べる女として、二度と見ないでもらうために。
「遊びじゃなかったら、いいんだろ?なら、大丈夫。
オレ、紗和ちゃんにマジで惚れたから♪」
「はぁっ!?」
けらけらと笑って、到底信じられないような言葉を口にした晴哉を、呆れを含んだ表情で見返した私。
「だから、遊びじゃなくて本気。紗和ちゃんが好きだから、彼氏に立候補する」
言っていることは理解しつつも、だんだんと頭が痛くなるような……
厄介な状況に何も言えず、目を閉じて頭を抱えている一瞬の間に。
「ちょっと、貸して?」
バッグから簡単に抜き取られてしまった、携帯電話。